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急須と窯元
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今回はやきもの絶滅危惧種の急須の話です。
私は煎茶、紅茶ともにお気に入りの茶葉を購入して急須でお茶を入れて楽しんでいます。 かつて やきものを楽しむ「急須を使おう」でも紹介しました紅茶用の急須ですが、先日 落として取っ手を折ってしましました。普段使いをしていて割ってしまうのは致し方のないことですが、長年愛用していただけにショックでした。 この急須は笠間の陶芸店で買ったもので、名前を覚えていませんが外国人の陶芸家が造ったものです。繊細かつ丁寧に造られていました。ちょうど紅茶椀2杯分を入れられるので重宝していました。
 そこで、益子焼の急須を購入しようと思い、2023年4月に久々に友人と益子に行きました。コロナ感染を恐れて実に4年ぶりの探訪です。春の陶器市の直前ということもあって益子焼の中心部の城内坂にはけっこう人が出ていました。急須を求めて、大塚誠一さんの大誠窯、現代作家物を扱う佳乃や、量販店のつかもと、個人作家ものを扱う陶庫、民芸店ましこなどを回りましたが、欲しいと思うものがありませんでした。特に、つかもとなどの窯元の急須は、本体と注ぎ口との間の茶こし部分がなく、蓋の下の本体に大きな金網を落とし込んだものがほとんどでがっかりしました。私が欲しい急須は、金網ではなくて茶こし部分が付いているもの、そして紅茶椀2杯分の容量が入るものですが、なかなか条件に合うものがありませんでした。
なお、今回の益子探訪で4年の歳月を感じさせることがありました。ある陶芸店では主人がご子息の代になり、取り扱い製品が変化していました。以前は主人が厳選した益子の個人作家や特徴のある窯元の製品を扱っていたのですが、何か薄っぺらと言いますか 量産品のつまらない製品に置き換わっていました。また、二人とも昼食はレストラン 古陶里のポークステーキを楽しみにしていましたが、店は休業していました。地元で人気のとんかつ屋に行ってボリュームのあるロースかつを食べました。 少し欲求不満気味の私は、佳乃やで深い藍色の蓋つきの四角いガラス瓶を衝動買いしました(写真参照)。帰宅してガラス瓶の中に着物の切れ端を敷いて亡き母のネックレスや宝石を入れるとキラキラしてとてもきれいです。
 さて、益子まで行って急須を購入できなかったので、インターネットで探すことにしました。調べてみると、山口県萩市に良さそうな窯元(萩焼窯元 泉流山)がありました。手造りの急須でしかも登り窯で焼成しているそうです。急須の姿形、大きさも数種類あります。要望を伝えると、手造りなので大きさや焼き(色合い)に微妙な違いがあると言って、いくつかの候補の写真をメールで送ってくれました。至れり尽くせりの対応に満足して購入しました。
購入して4か月ほど紅茶用の急須として使ってみました。萩の土は特に吸水性があるので短期間で汚れて目立ってしまうと思っていたらさにあらず、しかもとても使いやすい急須です。
 すでに益子にはない 古き良き時代のやきもの造りの伝統が残っていて、さらに現代生活にあった作品造りに取り組んでいる窯元の製品です。すっかり嬉しくなってしまいました。

ガラス瓶と萩焼窯元の急須
益子のガラス瓶と、萩焼窯元の急須(泉流山)
急須の茶こし部分
広い面に茶こし用の穴

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