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志野鉢の魅力
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写真は守谷宏一氏の志野鉢です。志野の器や食器は白い土ゆえに汚れやすいので、積極的に購入したことはありませんでした。 たまたま守谷さんの志野小皿を入手してお茶のときに和菓子を盛るようになり、その良さを知りました。 もともとベースの色が白色なので和菓子の色が映えて美味しそう見えます。磁器の皿のように"カチン"とした硬さや冷たさがないのが良いと思います。汁ものを入れなければ汚れることはありません。 こういったことがあって、長い間 敬遠していた守谷さんの志野鉢を購入することにしました。
志野鉢の大きさは23cmです。ろくろ成形した後、手でやや四角形になるように変形させています。この大きさと形が良いですね。 この鉄絵は難解です(下の写真参照)。いろいろと書き込まれているので、守谷さんのオリジナルの絵付けではなくて、おそらく美濃桃山陶の写しではないかと思います。中央右から中央上部にかけて柳の木と葉、そして右下には白鷺が描かれています。最初、この絵は何だろうと思いましたが、絵をなぞってみると白鷺であることがわかりました。私もたびたび志野茶碗や唐津の皿に白鷺を描いていたからわかりました。 その周りの絵が不可解で面白いですね。一見、稚拙に見えますが、桃山陶にはこのような絵が多いです。美濃焼園のご主人に聞いてみたいと思います。
私はこの志野鉢がお気に入りで、なんだかんだと盛って使うようにしています。 さて、京都三条瀬戸物屋町で出土した桃山陶の資料を見ると、青織部の向付や鉢と同様に、さまざまな絵を描いた志野の向付、皿、鉢があって当時の人気商品であったことがうかがえます。これらは ほぼ慶長年間(1596~1615年)の作と考えられ、わが国で最初に誕生した いわゆる「白いキャンバスに絵文様を描いうつわ」であったと言われています。 志野の鉢は、志野の白釉の下から浮かび上がる力強いタッチの鉄絵と、志野の持つ柔らかさや暖かさが魅力ではないかと思います。

守谷宏一作 志野鉢
 守谷宏一作 志野鉢
志野鉢に柏餅
 志野鉢に柏餅(5月)
ゆべしと黒糖饅頭
 ゆべしと黒糖饅頭(福島県)
志野小鉢も使いやすい
 志野小鉢も使いやすい

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