Menu

 黒織部を評価する -- 使ってみないとわからないこと
点線画像

NHKのTV番組 知恵泉「古田織部」は凄かった。何が凄いかと言いますと、番組の内容ではなくて、古田織部役の俳優が座っている前に並べられた数碗の桃山陶の黒織部茶碗が凄かったのです。一瞬のシーンではありましたが、各茶碗が異彩を放ち「これぞ桃山のやきもの!」といったオーラを発散していました。最近、感じていることは、現代作家が美濃桃山陶を写すことは難しい。特に、黒織部の器形と絵付けが至難であるということです。
 この桃山陶に刺激されて、自作の黒織部茶碗や収集した現代作家のものを体系的に実際に茶を点てて評価することを思いつきました。当然ながら、桃山陶の足元にも及びませんが、評価はけっこう面白かったです。
一般的に茶碗の評価と言うと、どうしても外観によるところが大きいかと思います。例えば、茶碗の姿かたち、大きさ、焼き具合、釉薬の調子、色、絵付け、土味、高台の造り、口造りや見込みの形によって評価します。 ところが、実際にお茶を点てて一服してみないとわからないことも多いと感じています。そこで、次の評価を行ってみました。
(1)抹茶の味が美味しいかどうか?
(2)一服したときの手取り(唇や手で触れた時の感触)はどうか?
すなわち、茶を一服したときの感性で評価します。満点を5.0として、お気に入りの守谷宏一氏の黒織部茶碗(下記写真)を基準に相対的に評価値を付けました。 毎日一椀づつ評価を行ったので16日もかかりました。さすがに毎日 黒織部茶碗だけを使っていると飽きがきそうですが、そうでもなかったです。
外観や造りが良くてもお茶が美味しく思わないものがありました。一方、絵付けや茶碗の大きさがイマイチと思っていたものに、お茶が美味しく しかも手取りがよいものもあって、特に茶碗は使ってみないとわからないことがあるのだと痛感しました。
 本ページの最下段の写真は特に評価値が高かった(3.8以上の)茶碗だけを集めて写真を撮りました。
また、作品紹介の「黒織部」において、各茶碗の評価値を品番の次に赤字で表示しました。ぜひ参考にしていただければと思います。
  黒織部へのLOGO
今後は、瀬戸黒茶碗についても同様の評価を行っていこうと思います。こうすれば、やきもの好きの人に自信を持って薦められるのではないかと思っています。

守谷宏一 黒織部茶碗
 守谷宏一 黒織部茶碗 評価値4.1
評価の高かった黒織部茶碗
 評価の高かった黒織部茶碗

Blog 最近の投稿


分野別(過去の投稿)

 自作の志野 年度別


 旅行


 美術工芸、その他


 やきもの