繕って使う(金継ぎ)

やきものを使っていて傷をつけたり欠けてしまうことがありますが、
やきもの造りで多いのが焼成中に薪があたって欠けてしまったり、窯を冷ます過程でひびが入ってしまうものです。
写真左の唐津花入れは、登り窯の焼成時に薪があたったのか、窯出し時に左の耳がなくなって出てきました。
耳が欠けた花入れはバランスが悪く、一度も使うことはありませんでした。
最近、修繕することにしましたが、手間も時間もかかり けっこう大変です。
先ずは、欠けた耳の部品を手びねりで4つほど造りました。花入れと同じ唐津土はなかったので益子の土を使いました。
ガス窯で素焼き後に、桜灰釉を施釉して本焼きを行いました。
本焼き後 4つの耳の部品から一番フィットするものを選び、金継ぎを行います。
金継ぎはいろいろな工程があって、各工程で漆の乾燥に時間がかかります。
結局、金継ぎが完了するのに3か月もかかりました。
苦労して直したものは、愛着が一層深まります。今回、初めて花を入れてみました。修繕して良かったと思います。
写真右端の志野茶碗は 2009年に大窯で焼成しましたが、窯出し時に大きく欠けて出てきました。
姿、焼きがとても良くて気に入っていますが、まったく使えません。
同じような釉調の陶片が手に入ったら、よび継ぎ(金継ぎ)をしようと思っていますが、なかなかありません。
将来のその時まで大切にとっておくつもりです。