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 イタリアのペンを楽しむ
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2021年6月末に通販でNettuno 1911 Nereoという万年筆を発注しました。イタリアの万年筆は3本目になります。実は、この万年筆は使えるようになるまでにかなりの時間がかかりました。 イタリアのナポリから輸入するとのことで納品は8月初旬になりました。コロナウイルスの蔓延が治まらず、家に居ることが多かった時に秘かに品物を待っていました。スマホの世界時計をナポリに設定して、「今頃、工場で在庫を調べているとか。輸出するためにナポリからどこの空港に運ばれているのだろうか。」といった想像をして楽しみにしていました。
この万年筆は軸のレジンがベージュと黒の斑模様で当初はオシャレと思っていたのですが、妻が「牛柄はどうなの?」とか言い出してから、確かにその通りだと思うようになってしまいました。斎藤清氏の木版画に秋の牧場と牛を描いたものがあるのを思い出しました(下記写真)。
 さて、納品されてすぐに書き味を確認したのですが、文章を書いていると途中でインクが出ないことが頻繁に起きました。例えば、「爪」という字の一画目が書けません。考えていることをスラスラと書けるのが万年筆の良いところなのですが、このように思考が中断されるとかなりのストレスになってしまいます。インクの種類で改善できるかもしれないと他の2種類のインク(メーカーの異なる)を入れてみましたが、ダメでした。イタリアの万年筆の品質にばらつきがあるのは聞いていましたが、今回まさに直面してしまいました。以前に、アルファロメオはよく故障して工場に持ち込むことが多く、こういったことも含めて享受することが伊太車のファンであることを雑誌で読んだことがあります。私は品質が高く信頼性のあるドイツ車が好きなのです。
不具合のある万年筆を国内の購入先に送り返して、ペン先の調整をしてもらうことにしました。ということで、しばらく「牛柄の万年筆」はお預けになってしまいました。こうして調整が終わるのを待っているのもイタリア流なのかもしれないと楽しみにしました。
 8月末にペン先の調整が終わって送られてきました。書き味は良くなり不具合は治ったと思ったのですが、数日使うとインクが薄くなって また書いている途中でインクが出なくなる現象が出てきました。コンバータのノブを少し回してインクのフローを良くするとなんとか改善できます。ペンに合わせて運用で使っていくということでしょうか?
後日、ピナイダー社のブルー色のインクから、国産の「夏天」という夏の海や空を想起させるターコイズブルーのインクに入れ替えてみました。美しい色もさることながら、このインクと万年筆との相性がとても良いことがわかりました。書いている途中でインクが出なくなる不具合はほとんどなくなりました。
 この万年筆のペン先はスチールニブですが、日本製、ドイツ製のゴールドニブの万年筆に較べるとしなやかさやしっとり感といった書き味で劣るようです。書き味というのは、あくまで個人の感性によるところだと思いますが---。スチールニブのイタリアの万年筆は書き味という点では洗練されていないかもしれませんが、デザインや雰囲気を楽しめ、これは洗練され完成された日本の万年筆にはまったくない楽しみ方かもしれません。私は 書き味が良くて安心な国産の万年筆よりその日の気分でイタリアの万年筆を選ぶことが多いのです。
 万年筆というのは工業製品でありながらこのように当たり外れがあるようで、これもアナログ世界の楽しみの一つかもしれないと思いました。ちょうど読み終えた「アルプスの谷 アルプスの村」新田次郎著の書評をこのペンで書くことにしました。普段の生活の中で万年筆を使うのは楽しいものです。

NETTUNOの万年筆と斎藤清の葉書
 稔りの会津(牧場) 斎藤清の葉書
NETTUNOの万年筆とインク
 インク 彩時記の「夏天」

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