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 南房総 高鶴山
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高鶴とは、うるおいのある土地を意味する古代語らしい。たしかに、高鶴山あたりは南房総の低山地帯ながら水に恵まれた土壌で、裾野のその名も「畑」という村落には美しい棚田が広がっている(下記写真)。山頂の石尊神社には天狗の面が奉納されているという。
2022年3月末に高鶴山に長男と一緒に登った。 私は今回が2回目である。最初は、両親に表参道の起点になる麓の八雲神社まで自動車で送ってもらい、高鶴山を登って「畑」に下り、さらに烏場山の峠を越えて、和田浦の花園に戻った。このときの高鶴山の山頂の雰囲気がとても良かった。
 今回は、「畑」の集落の上部にある東禅寺まで車で行って、そこから山頂を目指した。林道を登るとすぐに高鶴山登山道の標識があったのだが、どうも山道が見つからず林道をさらに辿ってしまった。しばらく行くと、林道の外れに軽自動車が止まっていて村人がいたので 登山道が正しいかどうかを確認すると、やはり間違えたらしい。しかし、このまま進むと登山道に合流できるとのことであった。 山頂まで30分程度で行けると思いきや、その道は長く、途中に迂回路が2,3か所あってどうも遠回りをさせられているようで余計に時間がかかった。長男は途中で嫌気がさして「途中で帰る」と言い出したが、適当に言い含めて何とか山頂に到達することができた。
汗をかいたので山頂で着替えた。山頂には「石尊神社」というお堂があって、私は「長男が無事に仕事に復帰できるように」と祈った。長男は昨年10月に仕事のストレスによって精神的な病を患い しばらく休職していたのだが、今年4月から新たな職場に復帰することになっている。天気は曇り空でいまにも雨が降りそうな気配である。山頂のまわりには、薄い青白い色のスミレサイシンの花の群落があって夢中で写真を撮った。
帰りは迂回路を通らず、意識して通行止めの本道を通ったのだが、多くの木が谷底に落ちている急斜面を横切り、大木が根こそぎ倒れていてそのむき出しの根が高さ5mほどの小山になっていたりと大変な道でびっくりしてしまった。私がその小山を越えたときに 後ろを歩いていた長男が突然叫んだ。振り返ると、急峻な小山を下るときにタラの木を掴んでトゲが刺さったらしい。藁をも掴むではなくて、タラの木をも掴んでしまったということか?帰宅して看ると、トゲが1本突き刺さっていて他にも4~5箇所傷になっていた。 行きに道を間違えた標識の所まで戻ると、たまたま民家の人から声をかけられた。どうも先ほどの迂回路はこの人がつくってくれたものらしい。道が荒れていたのは、2019年9月5日の房総半島台風によるものだということがわかった。台風の爪痕の凄さを体験する山行になった。天気がもたず、帰りは小雨になった。

山頂のスミレサイシン
 山頂のスミレサイシン(3月27日撮影)
高鶴山頂の石尊神社
 山頂の石尊神社
畑地区の美しい棚田
 畑地区の美しい棚田(2月15日撮影)

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