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 柳津と赤べこ(福島県)
点線画像

2020年8月になって長い梅雨が明け、さっそく奥会津の柳津に向かいました。東京では連日コロナウイルスの陽性者が300人を超えて悶々としていた頃です。
 先ず、只見線の会津柳津駅で休憩を取りました。蒸気機関車がどっしりとありました。黒い鉄の固まりをこんなにまじかで観るのは初めてです。只見線は、数日前の7月31日の豪雨で会津坂下と会津川口間も不通になっていました。駅で電車の写真を撮りたかったので残念です。駅前には赤べこを型取った柳津の案内板があって、これから向かう福満虚空蔵菩薩圓蔵寺(Fukuman KokuzoBosatu Enzoji)や斎藤清美術館が示されていました。
 山上の閑散とした広い駐車場に車を停めて境内に向かいました。圓蔵寺は、807年に徳一大師によって開かれ、虚空蔵菩薩像は空海が手掛けたと伝えられています。その本堂は只見川を真下に望む高台に建っていますが、その資材の運搬には赤毛の牛が大いに働き、寺院完成の夜に忽然と石化して守り神になったという「赤べこ伝説」があります。その後 会津地方では疫病(天然痘)が流行しました。この時、赤べこを持っていた子供は不思議なことに疫病にかからなかったため 会津の人々は虚空蔵菩薩様の御利益だと言い伝えています。まさにこんな時期だからこそ、虚空蔵菩薩様に導かれたのかもしれません。
眼下に只見川を見ながら森の中の石段を下りて本堂に向かいます。本堂の菊光堂は大きくて歴史を感じさせる建物です。周りの景観が素晴らしいためか、写真でその雄大さをなかなか表現できません。「撫牛」と言う福をもたらす石の牛があったり、狛犬ならぬコマ牛があったりと、まさに赤べこ発祥の地です。真下の只見川は、前日までの長雨の影響でまっ茶色に濁った水が川幅いっぱいにとうとうと流れています。
また、圓蔵寺の周辺には名物のあわまんじゅうを作る菓子店がいくつかあります。時間が早いせいかまだどこも開店していませんでした。
 さて、斎藤清美術館の訪問は2度目になります。今回の展示は木目を生かした木版画でしたが、残念ながら「いいな!」とは思いませんでした。あえて選ぶとすれば、京都の庭園の砂文様を木目で表現した作品や、「慈愛」と称するお地蔵様の横顔をおおきく描いたものが印象的でした。このように作者がとことんこだわってもそれがお客様には伝わらないことは多々あることです。ここでは友人へのお土産に額入りの絵ハガキを購入しました。美術館周辺や只見川の散策をしたかったのですが、夏の暑さが厳しく熱中症になる恐れがあると思い、早めに帰途につきました。次回は、この素晴らしい地に季節をかえて友人と一緒にきたいと思います。

柳津駅前の蒸気機関車
 柳津駅前の蒸気機関車
菊光堂
 虚空蔵菩薩圓蔵寺の本堂
只見川の土手
 只見川の土手を行く

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