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 失敗しない やきもの選び
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やきもの選びは、作者の名前や価格の高低にとらわれず、自分の眼で見分けることが肝心だと思います。そのために 日ごろから本物や名品を見て眼を養っておくことが大切です。
 最近はインターネットの写真を見て焼き物を購入する機会が増えていますが、みなさんは後悔したことはありませんか?
特に、信楽、伊賀や備前のやきものを購入する際には注意が必要です。なぜなら、焼はだやビードロの色が写真と実物では異なっていることがほとんどだからです。この主な原因は、販売者が写真を撮る際に照明の色温度やホワイトバランスに気を使っていないのが主な原因です。 私の場合は、やきもの一品ごとにホワイトバランスを調整して実物の色に近くなるように写真を撮ります。
かつて、青色のきれいなビードロの写真を見て信楽茶碗を購入したのですが、実際のビードロは汚い茶色でがっかりしたことがありました。そこで、どうしてもインターネットで購入したいときには写真と実物の色合いが同じかどうかを確認するようにしています。このとき 親切な出品者が屋外の自然光の中で撮った写真を追加掲載してくれたことがありました。それでも購入した実物と掲載された写真の色合いは異なっていたのです。したがって、やはり現物を見るのが一番だと思います。
 しかし、現物を見てもおかしなことがおこります。以前、日本橋の高島屋で堀一郎氏の個展があって見に行きました。会場には30椀ほど志野茶碗があって、どれも魅力的で甲乙つけがたいものだったのです。会場を4回もくるくる回って一番良いと思われるものを選びました。さて、帰宅してから なんだかんだと理屈をつけて妻を説得して、翌日 預金をおろして再び個展会場に向かいました。ところが、昨日 選んだ茶碗を手に取ると「添うでもない」のです。結局、購入せずに帰ってきました。
 最初に見て「これは!」と思うものは、一目惚れに近く「本物だ」と思いますが、ぐるぐる回って選んだものは買わないのが賢明です。自分の判断基準に自信がないか、曖昧なのかもしれませんね。やきものを選ぶときにはいつも真剣勝負ですが、失敗することも多いのです。特に、地方の窯場に行ったときには「せっかく来たのだから記念に買わなければ---」と思うことが多いようです。
「私 失敗しないので!」と自信を持って言えるようになるといいですね。みなさんは どうですか?

なお、冒頭の写真は、最近一目惚れして購入した信楽茶碗です。お店で見かけたときの雰囲気(色見)をホワイトバランスなどを調整して再現してみました。お店の照明は暗めで、ビードロがかなり青みがかって見えました。

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