にせものの果て
写真の万年筆はCartierの DIABOLO DE CARTIER です。大好きなデザインです。2004年11月に御徒町駅の高架下にある万年筆専門店で購入しました。当時、カルティエのブティックで5万円代で販売されていましたが、この店では半額で売られていました。
この万年筆はにせもののようです。
何故かというと、数年経ってキャップに大きなクラックが入りました。そして、その隙間からインクが蒸発して万年筆のペン先が乾いてしまい、万年筆の機能が失われました。
そこで、陶芸の補修につかう漆をクラックに埋めて使えるようにしました。この万年筆のペン先は太い(Mサイズの表記)ので主にメモ用に使っています。
私は父から受け継いだモンブランのマイスターシュテュック 149 を持っています。すでに2代にわたって60年以上使っていますが、今までインクが詰まったり、インクが漏れたりすることはなく現在も快適に使っています。品質の良さがひかりますね。なお、インクはずっ~とペリカンのブルーブラック4001です。推敲した文章を清書するときに使います。
何故、モンブランの万年筆を引き合いに出したかと言いますと、カルティエの万年筆の製造元はモンブランと言われているからです。その後もこのカルティエの万年筆をつかっていますが、今ではクリップのクロームメッキが剥げ落ちて金色が出てきて見るも無残です。この品質の悪さはにせものですね。
でも、私はこの万年筆を十分に使ったのだからそれが本物でなくてもまったく構わないのです。
最近、時計の修理のために御徒町の山手線高架下の商店街に行きました。外のアメ横商店街の活況ぶりとは対照的に、コロナ後に多くの店が閉店してさらにがらんとしていました。この万年筆を購入した店はコロナ下の不況を乗り越えて営業していました。