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日本刀の体験講座
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両国にある刀剣博物館で日本刀鑑賞マナー講座を受講してきました。ずいぶん以前から行きたいと思っていた講座ですが、講座の開催日が土曜日に限定されているためになかなか行く機会がありませんでした。
土曜日の午前中に3回の講座があり、予約制の各回は30分で定員5名です。私の他は全員が女性で30~40歳というところでしょうか。10年ほど前に日本刀が女性の間でブームになっていて「刀剣女子」という言葉を聞いたことを思い出しました。
 受講生5名のそれぞれのテーブル上には日本刀が置かれ、説明員がつきます。私が選んだテーブルには南北朝時代の備中 伝直江という日本刀が置いてあって、これを手に取って取り扱い方や鑑賞のポイントを教えてもらいました。刺激的でとても勉強になり、あっという間に30分が経ってしましました。説明員は若い女性の方で、私の質問にも簡潔に適確に答えてくれてとても楽しい時間を過ごしました。彼女も刀剣女子なのでしょう! 特に、本を読んでもわかりずらかった地鉄(Jigane)や映り(Uturi)といったものを刀の見やすい場所を特定してもらって観察することができたのは大きな収穫でした。
茎(Nakago)にもいくつもの鑑賞のポイントがあります。 本刀の茎には銘はありません。説明員は、目釘穴が2つあり、棟の樋や研磨面が茎の上部まで達していることから刀の寸法を短くした磨り上げ(Suriage)であろうと言っていました。南北朝時代に造られた長く反りが大きい刀が室町時代に磨り上げたのだろうと推測しました。確かに室町時代の戦では長い刀は不利だったのかもしれませんね。こういった歴史や時代背景も含めて日本刀は奥が深く面白い世界だと思いました。
この刀は棟が厚く重厚です。私は棟に樋(彫り)や装飾がある刀を好きではありませんが、この刀の樋は重い刀のバランスをとるためのものかと思いました。 刃文は直線的でおとなしいものでしたが、説明員から指摘してもらって微妙な小模様のみだれを認識できました。さらにうっすらと雲がかかったような映りは、手元の茎に近いところにあって説明員に場所を特定してもらってやっとわかる程度のものでした。 このように微妙な鑑賞ポイントがいくつもあることを知りました。
 本講座を受講した日は、刀剣博物館の新しい企画展「江戸三作 正秀・直胤・清磨」の初日ということもあって開場前には玄関に長蛇の列ができていました。マナー講座の受講後に本企画展を観ました。会場は混んでいてほとんどが女性でした。61振りの刀が展示されていましたが、それぞれの前にはすでに人がいてじっくり観るのは困難でした。ガラス越しに刀の姿や刃文は見えるのですが、地鉄や映りといったものはほとんどわかりません。刀は手にとってじっくり観るのものだと思いました。 急ぎ足で見た中でお気に入りの刀は、水心子正秀の No.12 銘 川部儀八郎藤原正秀と、カスタムナイフを大きくしたような脇差 No.18 銘 大慶直胤です。
 帰りに同じ敷地内の旧安田庭園を散策しました。かつては隅田川から水を入れたそうで、樹木の少ない水と石の庭園で林立するビル群の中にあるオアシスのようでした。

旧安田庭園にて
旧安田庭園 刀剣博物館は左の建物
刀剣博物館のポスター
企画展のポスター
カスタムナイフのような姿の脇差
カスタムナイフのような姿の脇差

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