憧れのカルティエ Cartier
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私がカルティエの時計の中で最も好きなモデルがサントス デュモンです。しかし、所有したことはありません。長年欲しいと思いながらあまりに高価ゆえに手が出ません。何故、この時計が好きかというと、パイロットウオッチの草分けであるといった歴史背景があります。20世紀初頭、まだ腕時計が普及していない時代に、貴族であり飛行家であったサントス・デュモンから製作依頼を受けて1904年に製作したのがこの時計です。なにしろライト兄弟による初飛行が1903年ですので、まさに飛行機の黎明期です。
飛行家・アビエータ(Aviator)--- なんていい響きでしょう。私はパイロットウオッチが大好きです。残念ながら日本には飛行家による冒険といった歴史がほとんどないのでパイロットウオッチを造れないのだろうと思います。
 さて、私が所有しているカルティエの時計はタンクフランセーズです。この時計は第1次世界大戦で登場した戦車がデザインのベースになっています。この時計も歴史と深く関わっていますね。実はこの戦車は極めてカッコが悪いのですが、タンクフランセーズはとても美しいデザインに昇華させていると思います。また、この小さなサイズの時計はきわめて視認性が優れています。しかも軽く、時計が湾曲していて手首にフィットするため時計をつけていることを忘れてしまうほどです。リューズ先端の青いカボション(宝石)がアクセントになっています。
しかし、カルティエ時計のこの尖ったリューズ先端には疑問を持ったことがあります。数十年前に女性の間で流行った亀形(モデル名はあえて出しません)をした時計に、リューズ先端が極めて尖っているものがあり、女性の手首(手の甲)を見ると この尖ったリューズがあたる部分にプチっと青あざができていました。それが一人二人どころではなく、私はカルティエの時計をしている女性を見ると、白く美しい手首に青あざができていないか確認するようになっていました。デザインを重視するあまり体を傷つけてしまうといった構造は工業製品として失格だと、その青あざを見るたびに思ったものです。

冒頭の写真の万年筆はディアボロ ドゥ カルティエいうモデルで、天冠に青いカボションが付いています。全体にとても美しいデザインだと思います。この万年筆は2004年にアメ横のちょっといかがわしい店で正規品の値段より格安で購入しました。15年以上経って、クリップが腐食してメッキが剥げて細かなサビがでたり、キャップに細いクラックが見つかりました。たぶん、偽物ではないかと思います。ただし、モンブラン製のペン先を使っていると言われている書き味は良好です。18金かどうか? ペン先の元素分析をしてみたいものです。 サントス・デュモンの時計といい、カルティエの万年筆といい、私にとってカルティエは特別な存在で 永遠の高嶺の花です。

タンクフランセーズ
 視認性の良いタンクフランセーズ