理に適った機能 ブライトリング TwinSixty
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今回 紹介するのは古い時計で恐縮する。
15年ほど前に上野の中古時計店で、オールドナビタイマー Old Navitimerと このツインシックティ TwinSixtyとを決めかねていると、店長が「このTwinSixtyは珍しいし、恰好がいい。」と勧めてくれた。確かに、今まで他人がこの時計をしているのを見たことはない。
 さて、購入してから気が付いたのだが、この時計の機能はきわめてユニークで素晴らしいと思う。
文字盤の中央にはクロノグラフ秒針(先端赤色)と60分の積算の針(先端銀色)が付いている。さらに、6時の位置にあるインダイアルでは、経過時間と分を同一ダイヤルで表示するようになっている。この機能により、通常の時計を見るのと同様に「何時間何分」という具合に経過時間を直接読むことができるのである。このシステムをダブルミニッツ・トータライザーと言うらしい。これは、長時間飛行を頻繁に行う国際線パイロットのためにブライトリングが特別に開発したと言う。私はクロノグラフとして このシステムはきわめて理にかなっていると思う。
なお、9時位置のインダイヤルは24時間表示である。この時計にはカレンダーがないので、もし9時位置にインダイヤルのカレンダーがあれば最高だと思うのだがーー。
 機能ばかりでなくて 大型の流れるようなアラビア数字のデザインが実に良い。ケースの厚みは15mmもあるが、それがまた機械好きにはたまらない。 この時計のアラビア数字の蛍光は色あせているが、これも味合いがあって良いと思う。時分の針の蛍光は、この時計を購入後しばらくして脱落してしまい、有楽町にあるブライトリングジャパンにて新品に交換してもらった。このため、これらの針の蛍光は鮮やかな緑色をしている。古いモデルのパーツをストックしてあって、アフターフォローがしっかりしているのもスイス時計の良さである。私は気に入ったものを長く使い続けて、それを修理するのが好きである。

 話は変わるが、私はシルキーシックスと言われた6気筒エンジンの古いBMWに25年以上乗り続けている。最近、サスペンションに不具合を生じ、交換することになった。国内にはそのパーツがなくて、ドイツ本社で削りだして造るので3か月ほどかかると言われ、嬉しくなってしまった。日本の自動車メーカーでは先ず考えられないことである。
また、ニコンのカメラでも同様のサービスを受けられる。銀座のサービスセンターに持ち込むと古いレンズであっても親身に対応してくれて、メンテナンスを受けられるのである。 ちなみに、上記写真のニコンFに付いているレンズ NIKKOR-S.C Auto 50mm f1.4 は、今でもニコンDFに付けてオールドレンズの味を楽しんでいる。

ブライトリングの文字盤
ツインシックティの文字盤
ブライトリングのサイドビュー
魅力的なサイドビュー