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大窯の構造 (双眼鏡をクリックすると写真を表示します)

大窯の構造図

双眼鏡

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炎1

炎2

炎3

炎4

炎5

大窯は2つの部屋から構成されます。 薪をくべ焚くための「燃焼室」と、作品を焼成するための「焼成室」です。
 燃焼室には、天井のアーチを支え、かつ、炎を左右に分けるための「分煙柱」があります(写真)。 これによって炎が安定し、焼成の成功率が高まった(穴窯に比べて)と言われています。 分煙柱のすぐ後方には、小分煙柱と「昇炎壁(しょうえんへき)」を設け、次の部屋(焼成室)において炎が上に吹き上がる構造になっています (炎の流れ表示)。 昇炎壁により、焼成室の高さを確保して多くの作品を積むことができるようになりました(写真)。 焼成室の後方には さま穴があり、煙道へと通じています。 煙道の長さは、実に10m以上あります。
 もう一つの特徴は、大窯は半地下式の窯であることです。 焼成室の半分は地下にありますし(写真)、煙道部分はほとんど地下に潜っています。
焼成室の片側には、作品の出し入れ口があり、入るときには地下に潜る感じです(写真)。 焼成室の両側には、「色見の穴」があります(写真)。普段はふさがれています。 この穴は、文字通り 焼成中に色見本を取り出して 窯の温度や釉薬の溶け具合を確認するためのものですが、 美濃焼においては、焼成中にこの穴から真っ赤な瀬戸黒茶碗や黒織部茶碗を長い鉄のはさみで引き出して、一気に水につけて急冷させて茶碗を造ります。 とても感動的なシーンです。これらは「引き出し黒」、あるいは「天正黒」とも言われます。
 志野に美しい緋色が現れるメカニズムについては、物理化学的に理路整然と説明されている本や文献はないような気がします(私はもともと物理屋ですが--)。 一般的に、半地下式の窯であるがゆえに 焼成後の温度の下がり方がゆっくりであることや、窯内部の水分が影響していると言われています。
荒川豊蔵氏は、「長石釉の志野を焼くには、この不便で不経済な窯が、最もよく適しているのである。 短時間で焼きあがるような窯では、よい志野は絶対にできないといってよいだろう。」と著書で述べています。
なお、煙道の構造がよくわかりません。もし、どなたか 煙道の構造がわかるような文献をお持ちの方は教えていただけないでしょうか。
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