「会津の冬」展 その2
2024年11月投稿
10月中旬に会津柳津の斎藤清美術館で開催されている「会津の冬」展の第Ⅱ期に行きました。その副題は「そして、故郷の表象(イメージ)となる」です。斎藤清の木版画のなかでも特に会津の冬シリーズが好きな私にとっては、まさにこたえらない企画展です。
福満虚空蔵菩薩 圓蔵寺(Fukuman KokuzoBosatu Enzoji)
早朝に柳津に着いて圓蔵寺を散策しました。
圓蔵寺は807年に徳一大師によって開かれた寺です。本堂の菊光堂は只見側を真下に望む高台に建っています。創建時の資材の運搬には赤毛の牛が働き、寺院完成の夜に忽然と石化して守り神になったという 赤べこ(Akabeko)の伝説があります。このため境内のあちこちに牛の像が見られます。会津で作られる赤べこの発祥の地なんですね。その後、会津地方では疫病(天然痘)が流行した時に、赤べこを持っていた子供は疫病にかからなかったため、会津の人々は虚空蔵菩薩様の御利益であると言い伝えられています。私が前回訪れた2020年8月は新型コロナウイルスの蔓延の兆しが出始めた頃で、コロナウイルスの早期終息を祈りました。
なお、御朱印をいただく方は注意した方が良いです。寺で不愉快な思いをしないために条件などを事前に調べてから行くことをお勧めします。
古色蒼然とした寺を写真に収めるのがなかなか難しくて、今回はモノクロームで撮ることにしました。
菊光堂
あちこちに牛の像があります。
圓蔵寺の点景
門前町から境内へ登る石段。
写真2は庫裡の長い外壁。斎藤清の版画に紅葉とこの壁を描いたものがあります。
写真3は菊光堂の舞台からの景色です。赤い鉄橋のむこうに斎藤清美術館が見えます。
会津の冬 (2) 斎藤清美術館
木版画の展示を観る前にビデオルームにて斎藤清のビデオを視聴しました。
特に感銘を受けたのは、斎藤清が会津の過酷な吹雪の平原でスケッチをしているシーンです。斎藤清は「書くぞという意識ではなくて、無意識に戦って書いているのが良い」と言っていました。
今回もいくつか印象に残った作品を挙げ、感想を述べます。
会津の冬(51) 山口
最初に大好きな作品が掲げてありました。冬のしんしんとした夜に星が瞬いています。私はこの絵を観ると、南こうせつの曲「星降る夜」を口ずさんでしまいます。なお、本写真はポストカードを撮りました。
会津の冬 坂下
親子が手をつないで雪道を歩く姿が描かれています。斎藤清は「四歳のときこの地を後にした母と自分の姿をダブらせていなのかも知れない」と言っており、忘れえぬ母との記憶を描いたとも言われています。
会津の冬(26) 川井
モノトーンの世界にあって洗濯物の色合いがアクセントになっています。人の営みと暖かさを感じる好きな作品です。
本写真は過去のカレンダーの切り抜きを撮影しました。
会津の冬(27) 八木沢
屋根に積もった雪のボリューム感が見事だったのでポストカードを購入しました。
柿の会津(35)
柿と洗濯物の色がビビットで秋の風情です。洗濯物が縞や柄物になっていますね。
柿の会津(85) 坂下町宇内(4)
雪の中のお地蔵さん。この絵を観ると会津本郷のお地蔵さんを思い出します(写真2)。 会津ではどこでも見る光景なのでしょうか?
会津柳津の泡まんじゅう
圓蔵寺の近くに店先からさかんに蒸気を出している饅頭屋があって、名物の泡まんじゅうを買いました。
定番の黄色のものに加えて季節限定の抹茶色のものも買いました。この泡まんじゅうは常温での日持ちがしませんのでたくさんまとめて購入できません。帰宅して電子レンジで少しだけチンして食べたのですが、やはりつくりたてのものをその場で食べるのが美味しいと思いました。次回はそうしたいと思います。
泡まんじゅう
黄色は定番です。もち米で造りますのでボリューム満点です。
写真2の抹茶色のものの中は白あんでした。
只見川の鉄橋
只見川の土手で秋の七草 すすきを撮りました。
巨大で赤い鉄橋の下には遊歩道があって雄大な景観を楽しめます(写真2)。