アウトドア用の軽快さ SEIKO 5スポーツ
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時計Blogを開設したきっかけは、日本の伝統文化である焼き物と同様にヨーロッパの伝統的な意匠や技術を紹介しようと思ったからです。しかし、ここ10年程、特にスイス時計の価格はうなぎ上りで、購入できる状況ではなくなってしまいました。価格が4倍以上に高騰したメーカーもあります。御徒町にある時計店の主人と話したことがあります。材料費の高騰、新型コロナウイルスの蔓延による不況などが原因のようですが、最近では円安が追い打ちをかけています。 日本国内の時計も同様に価格を上げてしまいましたが、それでもしっかりしたコンセプトで商品開発を行い比較的安価に商品を提供するオリエントの時計があります。
今回、紹介したいのはセイコーの5スポーツです。実は昔の5スポーツには見向きもしなかったですが、最近の5スポーツは実に面白いのです。価格が手頃、しっかりした物づくり、そしてバリエーションやデザインを変えて次から次へと新製品を出しています。おそらく5スポーツの担当デザイナーはとても楽しんでいるのではと思ってしまいます。冒頭の時計は2023年5月に発売されたセイコー 5スポーツの38mmサイズのモデルです。しっかりした造りに好感が持てます。ダイバースタイルというカテゴリーで38mm径に小型化されていることもあり、とても軽く感じます。実際の重量は140gで、着けた感触はそれ以上に軽快です。一般のダイバーモデルの時計はとても重くて私は着ける気がおきません。本格的にダイビングをする人にとっては健剛な造りが必要かと思いますが、購入する人の中で実際にダイビングをする人は多くはないはずです。特に、メタルバンドの重いこと。
外径38mmは私にちょうど良いサイズです。 文字盤の色は夏向きのターコイズ色を選びました。テニス観戦やオートバイに乗るときに着けるのにぴったりです。 セイコーのロゴはアップライドです。最近のセイコーの時計にはコスト低減のためか、ロゴを印刷してしまうものもあります。また、復刻版といいながら本来の回転ベゼルが固定の刻印になっていたり---と、見るも無残です。
ターコイズ色に金色の針は斬新ですね。インデックスの〇ドットの縁も金色です。さすがに回転ベゼルの印字やメタルバンドの質感はそれなりで値段相当だと思います。
全体に手抜きのないとても良い時計だと思いました。私はアウトドア用の軽い時計の良さを再認識しました。とても楽ですね。 最近ではGMT付のものや復刻のスタンダードモデルも出ていてセイコーのURLを見ていて楽しく食指が動きます。まさに沼に陥りそうです。
 さて、「黄金の刻 小説 服部金太郎」楡周平 集英社文庫 2024年 という本を読みました。明治初期、15歳の服部金太郎は洋服問屋の丁稚として働き、時計商になる夢を持ちます。その後、商人としての創意工夫や優れた人との出会いによって精工舎を起業しますが、七転八起の人生であってどんな不幸や不運があってもそれは必ず将来への糧になると言って再起する姿が描かれます。
この本を読んで、セイコーのアンティーク時計が欲しくなりました。

SEIKO 5スポーツ
 軽快なSEIKO 5スポーツ
SEIKO 5スポーツ
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